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シンプルで上質なルイ16世チェアの張替え

2011/09/13 椅子

ルイ16世様式は18世紀後半、フランス・ルイ16世の時代に流行した建築や家具などの様式を指します。
その前のルイ14世様式(バロック)や15世様式(ロココ)に比べ、装飾は控えめで直線的。
椅子の脚も従来の猫脚ではなく、まっすぐなものとなります。
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実にシンプルな椅子ではありませんか!
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しかしながら生地をとめている鋲は一つ一つ丁寧に打ち込まれている単鋲仕上げです。
シンプルですが手間がかかっているお椅子です。
最近の椅子は連続した鋲を装飾的につけるものが圧倒的に多く施工も簡単ですので
こだわった椅子でない限りはあまり単鋲仕上げにはしません。
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ステープル(ホッチキスの針みたいなもの)で打ち込み連続鋲をつける現代の張り方に対して
単鋲のみで張り込んでゆきます。簡単に見えてもかなり難しい作業なのです。
腕利きの職人さんが仕上げた逸品です。
さてこちらのお椅子を張替えました。
似たような生地ですので違いが分かりにくいかもしれません。
座のみの張替えでしたがかなり時間がかかりました。
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生地とフレームのバランスを考え古金調の鋲ではなくブロンズ鋲(黒系色)で仕上げました。
最後に背もたれの籐の部分を簡単に塗装してフレームの色のはがれているところを
タッチアップして仕上がりです。
IMG_0807.jpg → IMG_1248.jpg
こんな感じになりました。新品同様です。
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見た目はシンプルですがただ者ではない椅子でした。
人も椅子も見た目で判断してはならないと改めてこの椅子に教えられました。
これからの教訓にしてゆきます。ありがとうございました。

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