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ダイニングチェアの再生

2011/03/21 椅子

このたびの地震で被害にあわれました皆様へ
3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震におきまして、お亡くなりになられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
リモービリ株式会社は、とても小さい会社ですが、今まで以上に一人一人節電、節水、節燃料等に取り組んで参ります。また、私たちに出来ることを常に考え行動してゆきます。
被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
さて、本題です。
ダイニングチェアの再生です。
今回は再生といっても張り替えではなく内部のウレタン交換と生地の補強にて依頼を受けました。
最初にお引き取りをした時の状態です。
IMG_0827.jpg
IMG_0828.jpg
生地が破れてしまいマスキングテープで補強?してあります。
IMG_0831.jpg
反対方向からです。
20年お使いになられたそうです。
とても丁寧にお使いになられていた様でこのタイプによくあるガタツキ等はありませんでした。
オーナー様自身で内部に低反発ウレタンを入れてその場をしのいでいらっしゃった様ですが、腰への負担を
気にされて今回依頼が来ました。
ミッションは下記の通りです。
①お尻が痛くならない材料を使う。
②椅子の高さを座った時の状態で42CM~43CMにする。
③生地はそのまま使う。
※背もたれはそのままの状態。

まず、①について
お尻が痛くならないためによくお客様と話し合い、ベルトの張り具合とウレタンの選定をいたしました。
だいぶお年を召してきたご様子で柔らかい座は好まれないご様子でした。固めにして座った時のあたりを若干
柔らかめにされたいとのことでした。
そこで…
木のフレームに直接張り込んであるウェビングテープ(ベルト)の張り具合で仕上げの状態もかなり違って
きます。ベルトはかなりしっかりめに張り、ウレタンは2層にして下部はよく高級車のベースになるウレタン
と上部は一般的ではありますがしっかりめのウレタンとを使用しました。とはいいましてもこの下ごしらえは
かなり感覚的な部分が重要となってきます。なんどもお客様と話し合いご希望の座り心地に近付けてゆきます。
ある意味最も重要な部分ですので神経を使う部分です。(今後また何年もご使用されるわけですから)
②SH42CM~43CM
生地を張り込み座った時の座までの高さです。
ベルトの張り具合、ウレタンのかたさ等で仕上がりで45CMくらいになるようにしました。
椅子の高さは年齢 体格 性別 座り方等によりみな心地良い高さが違いますがこのくらいの高さが平均的な
日本人の体系に最もマッチする高さかと思います。
下ごしらえ完了です。(写真は省略させていただきました)
③アンティーク感を残して行くためにあえて張り替えはせず、現状の生地を使用することとなりました。
生地が切れているところも多々ありましたが、生地をはがしてまず、補強から始めました。
生地も弱くなっているので慎重にはがします。
IMG_0858.jpg
補強に厚手の接着芯を使いました。
(その後張り込む際もう一枚生地を接着しました)
IMG_0869.jpg
こんな感じになります。
IMG_0864.jpg
その後下ごしらえをした椅子フレームにこの生地を張り込みました。
IMG_0936.jpg
左側の椅子生地は完全に裂けていたのでこの状態の仕上がりです。
あえて縫いこみはしませんでした。
IMG_0924.jpg
きれいに仕上がりました。
IMG_0928.jpg
背もたれ部は今回手をつけておりません。フレームと生地の狭間(ヘリ)の鋲は交換しました。
古金調の鋲を使用したため違和感はありません。
古い鋲
IMG_0930.jpg
新しい鋲
IMG_0934.jpg
最後に椅子の裏張りをして完成です。
IMG_0938.jpg
と長くなりましたがこんな具合でした。
すべて込で1本/¥15,000-程頂きました。
いろいろとご相談ください。ご興味のある方はこちらまでお気軽にお問い合わせください。お待ち申しあげております。

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