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Cesca Chair(チェスカチェア)籐の座の張替え

2012/10/16 椅子

こんにちは!
今回はチェスカチェア(籐の背、座)の修理の模様です。
椅子に名前があるってなんか憧れませんか?この椅子も僕も大好きなのですが、
バウハウスデザインの家具を代表する椅子のひとつです。
基本構造となる金属パイプが、アームから背、座の下を通って前脚となり、さらに床に接しながら後方へと突き出たデザイン。後脚のないカンティレバー(片持ち突き出し構造)チェアでも特によく知られている名作椅子です。
マルセル ブロイヤーの愛娘の名を取って、チェスカ・チェアの愛称でも親しまれています。
うんちくはさておき、籐の座と背の張替えです。
籐の張替えといってもたいていの現代のものはシートの張替え作業で編みこんでいくものではありませんので
張ること自体はさほど難しいものではありませんが、古いシートの剥がしのほうが厄介です。
きれいに剥がして下地を整えないと張るときに面倒なことになってしまうからです。
元の状態です。
IMG_7708.jpg IMG_7713.jpg
マルセル ブロイヤー チェスカチェア
こんな状態でした。
IMG_7711.jpg IMG_7714.jpg
破れてしまってます
更に細かく見ると
IMG_7712.jpg IMG_7716.jpg IMG_7715.jpg
だんだんと座るのをためらってしまうレベルです
まずは古い籐のシートを剥く作業から始め、剥いた状態が下の写真のようになります。
IMG_7731.jpg IMG_7732.jpg
ここまでするのに結構時間がかかります
座と背の部分を外して籐のシートを張り込みます。
チェスカチェアって座、背を外すとなんか間抜けて見えますね!
IMG_7792.jpg IMG_7795.jpg
夜に勝手に歩いてきそうで怖いです
作業風景です。カゴメ編みのシートを適当にカットして湿らせて廻りのミゾに押し込みます。
乾いてくるとピンと張ってきますので、ある程度たるみがなければOKです。
その後下の写真のように丸籐を押し込んでゆきます。
IMG_7740.jpg IMG_7746.jpg
丸籐で押さえつけます
その後色合わせをしながら塗装してから本体に取り付けて完成です。
IMG_7805.jpg IMG_7798.jpg
きれいに仕上がりました
細かく見ると
IMG_7800.jpg IMG_7799.jpg
元の部分に合わせて塗装しました。このあたりは経験で進めてゆきます。
完成品です。勢いよくぴょんぴょん跳ねそうな感じで生き返りました。
小さい画像ですが画像をクリックすると大きな画像が見れます。
IMG_7804.jpg IMG_7797.jpg
なんでカンガルーチェアって名前がつかなかったんだろう?
最後までご拝読いただき誠に感謝いたします。
日頃から丁寧な仕事を心掛けております。
是非皆様からの修理、張替え等のご依頼を心よりお待ち申し上げております。
宜しくお願いいたします。

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